そうです、私が…

毎朝全くおなじ電車にのるおじさんがいる。一人でいつもぶつぶつしゃべったりしているので見かけたら「おはウー」と思いながら遠巻きでおじさんを眺める。リュックに付けられたヘルプマークは、住所や緊急連絡先の書いてある面が表になるように固定されている。

今日もいつものように2人でホームに佇んでいたが、反対ホームの電車がプァ〜とデカ汽笛を鳴らしたことにおじさんがむちゃくちゃビクーリしていた。そして電車に乗ると、1人おきで座席が空いていたので、おじさんはどこに座ろうかと困ってしまって(確かにちょっとわかるけど)1人のおばさんの右と左どちらにしようかなと迷いすぎておばさんの目の前を不審な感じで行ったり来たりしてしまったせいで、おばさんが怖くなっちゃってスーーッと小走りで他の車両に移動してしまった。私も心の中でそれをやりつつ、知らんサラリーマンの間に座った。おじさんは、みんなが心の中でできるやつを全てカラダで大きく表現してしまうため、おじさんをよく知らない人は(私も知らないけど)かなり警戒してしまう。昨今、電車内での狂人による事件が多いので、まぁ仕方ないけど。とにかく狂人がいたら刺激せず静かに逃げる、というのを徹底しなければならない世の中なので。おじさんはいつも色々な人にじろりと見られて、逃げられてしまう。

それとは別で、さっき街でティシュくばりしてるちょっときゃわいー感じのお姉さんがエグい頻度であらゆる狂ジジイに話しかけられててハンパなかった。むちゃくちゃ大変だと思う。危険すぎる、この世は…。こないだPがユニオンの袋引っ提げて歩いてたら、大学の女友達に「その袋持ってるオジサン変な人おおいよね!笑」と言われた。そうです。お前らのことだぞ。 ……“このオジサン、変なんです”“そうです、私が…”