PYLの目の前でころんだおじさん

駅の改札前の階段にて、私とサラリーマン二人の目の前で小太りのおじさんが思いっきり転んだ。完全に「ズデ〜ン」って音がした。しかも階段だから普通にスネとか腰が痛そうだった。すっ転ぶ瞬間、むちゃくちゃスローモーションにみえた。ゾーン入った時こんな感じなのかな。おじさんの全ての動きがぜんぶ分かった。2段目で足がもつれて、手がでなかった。(おじさんだから)で、こうなんていえばいいかわからないけど、一回転ゴロンとした。ゴロンとしたあと、仰向けで手と足を開いてズデ〜ンの形になり「イテテテ!(照)」と言った。私とサラリーマンは、うろたえた。とにかく、二人とも混乱してしまい、もう今すぐ出そうな電車を取るか、おじさんに大丈夫ですかと声をかけるかを天秤にかけて、とうとう二人とも電車を取ってしまった。おじさんを見殺しにしてしまったのが、悲しくてやりきれなかった。自分のこういうところが、シャイな小学生のまましょうもないまま大人になっちゃったなと反省する部分。ちなみに駅員もそばで見てたけどうちらとおんなじうろたえ方して見殺しにしてた。コラー!で、すごくそれが自分のなかで、嫌で、ひどい大人になっちゃったな、本当におじさんには報われて欲しい、とか思いながら電車乗ったら、おじさんも恥ずかしそうに電車に乗ってきて(間に合った)、優先席に座っていた。本当に優先されて欲しい。悲しくて、自分(とサラリーマン)がみっともなくて、夜、そのことばかり考えて、考えすぎて、右耳がうっすら聞こえづらくなった。